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ビジネス文書で「させていただく」を減らす2つのポイント

日本語を書くときに「させていただく」が過剰になっていることはありませんか? たとえばこんな文章です。

こちらで上席に確認させていただいたのち、追加で項目を記載させていただき、ご送付させていただきます。

この例ではある書類にこちらの都合で項目を追加させてもらうというケースを考えています。その際にこちらの上席の同意が必要な項目なため、自分だけではどうしようもなく書類を一度持ち帰るという状況としましょう。

こういった申し訳無さのあるときはどうしても「させていただく」を乱発してしまいますね。「させていただく」は敬語として誤用ではないのですが、過剰になる場合が多いので減らすポイントを知っておきましょう。

相手の許可が不要なことは「させていただく」でなくても良い

相手の方の許可が不要な場合は「させていただく」をなくしましょう。自分たちや社内で行うことに使う必要はありません。今回の例では「上長に確認する」ことは勝手に我々がやっていることなので、「させていただく」はなくしても良いでしょう。

こちらで上席に確認させていただいたのち、

こちらで上席に確認したのち、

「ダメって言ってもやるでしょ」ということなら、なくて良いでしょう。

特段、恩恵がない場合は「させていただく」でなくても良い

恩恵を受ける事実や気持ちがない行為には「させていただく」は不要です。今回の例だと「送付させていただく」という行為は直接的な恩恵もないことなので「ご送付します」か「ご送付いたします」という謙譲語が良いでしょう。十分に正しい敬語ですし、次に説明する点で意図を伝えられているので問題はありません。

ご送付させていただきます。

ご送付いたします。

他にも「ご送付します」や「お送りします」でもOKです。

許可を受けている・恩恵を受けている点はどこか

「させていただく」は許可と恩恵を受けている場合に使います。

今回の例であれば「書類に項目を追加させてもらいたい・させてもらえた」という部分が重要です。ですので「追加で項目を記載させていただき、」という部分は「させていただく」のままでも良いでしょう。

とりあえず全部申し訳ないと思ってしまう

過剰に使ってしまうケースでよくあるのが、申し訳ない・ありがたいゆえにすべての行為が「させていただく」になることです。ですが実際に許可や恩恵を受けているポイントはそう多くないはずです。

  • 上席に確認する:こちらの都合上、一度上席に確認する必要がある
  • 追加で項目を記載する:相手にお願いして書類に項目を追加させてもらった
  • 書類をのちほど送付する:こちらから追記した書類を郵送する

今回であれば2番目だけが相手の許可を得て追加させてもらった行為になります。上席への確認や書類の送付はそれに付随する行為ではありますが、すべてに「させていただく」を付けると過剰になりますので、実際に許可をいただいた点にだけ使うのが良いでしょう。まとめると以下になります。

こちらで上席に確認したのち、追加で項目を記載させていただき、書類をご送付いたします

こうすれば過剰に付けられていた「させていただく」が1つになり、どこについて感謝をしているかも明確になります。もちろん他2つの行為も時間をいただく関係で「させていただいている」ことではありますが、この場合は1点あれば感謝の意は伝えられると思います。

おわりに

とくに重要なのが、「誰に許可を受けたか、恩恵を受けたか」という点でした。その感謝の意を相手を明確にして伝える場合にのみ使うと簡潔な文にできます。「司会進行を務めさせていただきます」なども誰に許可や恩恵を受けたかが明確でないため「司会進行を務めます」が良いでしょう。基本的には過剰になりやすいため「本当に、させていただいたなぁ」と思える点でのみ使うと考えれば分かりやすいです。

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執筆:@hirokiky
Shodoで執筆されました